継承
神保町では、お客様に色々教えて頂いたり、触発されたり
することがよくあります。先日の晩は、音楽を通じて
お客様と小さな交流をさせていただきました。
大好きな THE FOUR FRESHMEN について、
話しかけて下さったのです。かねてから、
神保町に似合う音楽だと思っていたこともあり、
うれしく楽しいひとときでした。

ザ・フォー・フレッシュメンは1948年に結成された
4パート・ヴォーカル&インストゥルメンタル・グループ
です。アルバム・アーティストとしては、主に1950年代、
管楽器や弦楽器をバックに歌ったコンセプト・アルバムに、
数々の名演を残しました。



またライブ・バンドとしては、4人で楽器を持ち替え演奏
しながら、4人でオープン・ハーモニーを歌うという
スタイルで、その様式美は、オリジナル・メンバーが
いなくなった今も継承され、グループは22代目として
現存しています。



ダイナミズムと言う点で、オリジナルの壁が高いのは
当然ですが、全盛期には生まれてもいなかった、
若い世代が継承している姿に、先達への敬意やマナーさえ
感じられれば、応援したくなるものです。
また続けていれば、オリジナルにはなかった輝きを放つ事
だってあるかもしれません。
これは音楽や芸能に限らず、古いお店などにもあてはまる
のではないでしょうか。

手ごわくも、愛すべきオリジナルの壁。
神保町に似合うと思った所以は、そこかもしれません。

第61回東京藝術大学卒業・修了作品展
第61回東京藝術大学卒業・修了作品展
東京都美術館、大学美術館、大学構内で
1月31日木曜日まで開催されています。
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神保町からですと、
新御茶ノ水から地下鉄千代田線で2駅の
根津から徒歩10分。

藝大校舎上階からの眺めは良好。
多くの巨木を見るのも楽しいですし、
周辺の散策も楽しめます。

薗部袴店
1930(昭和5)年の神保町町会の地図では、
現在の鶴谷洋服店の場所に
「薗部袴店」とあります。
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すずらん通りで生まれ育った伯母達の脳裏には、
優しい薗部のおじさんの顔が、今でもはっきりと浮かぶそうです。
夏休みのラジオ体操で、ハンコを押してくれた…などと。
因みに当時のラジオ体操の会場は、
ミヤタ文具やサンマルクカフェ前の十字路でした。

第二次大戦中は明日も解らない非常時です。
多くの店が神保町の地を離れる決断をし、疎開しました。
もう少しで終戦という頃、
薗部袴店であった場所に鶴谷洋服店が入り、現在に至ります。

初期の鶴谷洋服店の店内は、袴屋のまま畳敷きでした。
伯父の父は、着物で店に出ていたとも聞きます。
一見ミスマッチですが、かえってそれが、
これから西洋服を仕立てようというお客様の、
想像を膨らませ、優越感をくすぐるような事が、
あったかもしれません。

鶴谷に残された道具の中に、
「薗部」と書かれた物差しが一本、紛れておりました。
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薗部さんご一家は、お元気でいらっしゃるでしょうか…。